グルメ

旬の味覚と景色にうっとり。春のレイトランチトリップへ

皆さま、はじめまして。地域を味わう観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」のコンシェルジュです。こちらでは当列車のコース料理や見どころ、停車駅や沿線の魅力についてご紹介いたします。早速、プチトリップへ出かけましょう。

天神から出発!地域を味わうランチコースの旅へ

キッチンクロスをイメージした赤いチェック柄の列車。美味しさと清潔感を表現しています

記念すべき第1回目は、現在ご提供している春のコース(2024年3〜5月)へご案内いたします。今回乗車したのは、約2時間の「【土日祝】-福岡発大牟田行- 地域を味わう レイトランチ」コース。西鉄福岡(天神)駅を出発し、西鉄柳川駅と大牟田駅に停車する、休日にぴったりのプランです。運行時間やコースの詳細は▶︎コチラへ

【右上】筑後にまつわるモノやコトを詰め込んだロゴにも注目/【左下】車両内には季節に合わせた装飾も ※柳川の伝統工芸「さげもん」の展示は4/3まで実施

まずは、西鉄福岡(天神)駅・北口改札の右側手前にある有人改札を通ってホーム内へ。3番線ホーム前の「受付場所」で受付を済ませ、座席番号を受け取ったら、旅の始まりです。ひとたび足を踏み入れると、雰囲気はガラリ。賑やかな駅のホームと落ち着いた佇まいの車両内、このギャップが不思議な高揚感を誘います。

まさに非日常。筑後の魅力たっぷりの空間

壁面には、福岡出身で世界的にも有名なアーティスト・鹿児島睦氏がデザインしたブリキのTINパネルが

車両内のデザインコンセプトは「ちょっと特別で、でも誰かの家に招かれたように落ち着く、そんな場所」。地域の魅力を支えるマイスターの方々による伝統工芸品とクリエイターの感性を掛け合わせ、沿線の新しい魅力を表現・発信しています。

家具のまち大川にて、特別に設計・作成された当列車オリジナルの椅子やテーブル、八女産の竹を使用し不燃加工を施した竹編み生地の天井など、見どころ満載。筑後のものづくりを見て、触って、楽しんでいただけると嬉しいです。

柳川の農家で丹精込めて栽培されたあまおう苺を贅沢に使用

コース内のウェルカムドリンクは「あまおうプレミアム スパークリングワイン」または「紅茶スパークリング(ノンアルコール)」からお選びいただけます。今回は久留米・耳納連山中腹にある「巨峰ワイナリー」醸造のスパークリングワインで乾杯!フルボトル1本に約50粒ものあまおう苺を使っているそうで、凝縮された香りと甘酸っぱい味わいが口いっぱいに広がります。

福岡を代表する人気店のシェフ、夢の共演!

ワインや日本酒も進む「6種の前菜盛り合わせ」

程なくして、3〜5月の春メニュー最初の料理「6種の前菜盛り合わせ」も運ばれてきました。当列車では、ミシュラン1つ星のフレンチ「Restaurant Sola」(福岡市博多区)の吉武 広樹シェフ、野菜の自家栽培も行うイタリアン「Cernia」(久留米市田主丸)の畑 亮太郎シェフ、和食とフレンチの創作料理レストラン「Mahoro756」(うきは市浮羽町)の井上 誠シェフに料理を監修いただいています。
3〜5月春メニューの詳細は▶︎コチラへ

【左上】「真鯛のグリル なすアンチョビクリーム」(吉武シェフ)/【右上】「人参とサツマイモのプレア」(畑シェフ)/【下段中央】「春野菜らいむ昆布ジュレ寄せ」(井上シェフ)

福岡・筑後や九州の旬食材をテーマに、有名シェフ3人が考案した特別メニューを一度に味わえるなんて、何とも贅沢ですよね。「春野菜らいむ昆布ジュレ寄せ」はスナップエンドウをはじめとした春野菜の食感がシャキッと弾け、ジュレの酸味も爽やか。まろやかなクリームと赤ピーマン・トマトのソースがふっくらとした真鯛に絡む「真鯛のグリル なすアンチョビクリーム」や、素材の豊かな甘味がとろける「人参とサツマイモのブレア」も美味。シェフの創意に満ちた春の味覚をとりどりに楽しめます。

吉武シェフ監修の前菜プレート

宮崎県西米良村の自然と清らかな水で育った新鮮な「奥日向サーモン」を使用

続いて登場したのは、前菜プレート「奥日向サーモン 蕎麦粉のクレープ」です。新玉ねぎとシブレットの蕎麦粉クレープは、香ばしくもっちり。そこへ旨味たっぷりのスモークサーモンと、イクラを添えたブルーチーズのクリームをのせていただきます。ブルーチーズと聞くと強い香りや味を想像されるかもしれませんが、このクリームは実にまろやかで上品な味わい。サーモンとクレープを優しく包み込んでくれます。

筑紫駅を過ぎた先に現れる「筑紫車両基地」はシャッターチャンス/改札バサミを使って乗車した日付を刻む「記念乗車券」

ゴトンゴトン……と心地よく響く列車の音、刻一刻と変わる車窓からの景色も当列車の醍醐味。建物が連なる街の景色から緑きらめく田園風景への移り変わり、西鉄電車がズラリと並ぶ「筑紫車両基地」も見どころです。さらには、お客様へお渡ししているオリジナルデザインの「記念乗車券」にもこだわりが。昔ながらの改札バサミを使って、パチっと切符を切る体験もできるんです。

メインの肉料理は畑シェフが監修

福岡の人気ベーカリー「パンストック」のパンとともに

さて、コースはいよいよメインディシュへ。列⾞内のキッチンには窯を搭載しており、窯の中で焼き上げた「ロールキャベツのオーブン焼き “カプネ”」は熱々です。ナイフを⼊れると⾁汁がジュワーッ!中に詰めたうきは・リバーワイルドの豚ひき肉は肉々しい食感で、コクのある旨味もたまりません。

“香ばしい!甘い!ジューシー!”と、大好評のメイン料理

各シェフには実際に完成した料理を毎回試食いただき、細かなアドバイスをいただいています。「キャベツはしっかりと焼き目を付けてください」とは、畑シェフからのアドバイス。この“焼き目”によって、キャベツの香りや甘味が引き出されるというわけですね。

心を癒す、美しく穏やかな車窓の風景

【左上】「日本酒呑み比べセット~沿線編~」(1,100円) は、小石原焼のお猪口で提供/【右下】列車が通過すると元気いっぱいに手を振ってくれる「三潴保育園」(大善寺〜三潴間)の皆さん

また、当列車には多彩なドリンクメニューもご用意しております。「三井の寿」(三井郡大刀洗町)や「若波」(大川市)といった、酒どころ久留米や沿線の酒蔵による日本酒やプレミアムワイン、「石橋想園」(うきは)のりんごジュース、「中村園」(八女)の「カモミール×八女和紅茶」などなど。車窓からのフォトジェニックな景色とともに、筑後エリアこだわりの味をお楽しみください。

春を感じ井上シェフ監修のデザート

「COFFEE COUNTY」(久留米)による、レールキッチンオリジナルブレンドのコーヒーを提供

コースを締め括るデザートは「苺 梅野最中」です。「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の焼印を押した最中の皮は、筑後川沿いに位置する老舗「㈱梅野隆製菓」特製のもの。提供直前に窯で最中を軽く温めることで、サクッと軽やかな食感と香りを引き出しています。中には、冷たいバニラアイス・生クリーム・クルミのキャラメリゼ・モチモチの求肥・あんこが詰め込まれており、香り高い苺ソースとの相性も抜群です。

ペーパークラフト模型とパシャリ!/久留米市のイメージキャラクター「くるっぱ」と、大牟田市の魅力をPRする「ジャー坊」も発見!

3号車には列車のペーパークラフト模型を展示し、クルーの帽子や制服には久留米絣をあしらっているなど、ご紹介したいことはまだまだたくさんありますが……。列車は間もなく終点の大牟田駅へ到着しますので、今回はこの辺でお開きに。

「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」のクルー。チームワークの良さが自慢です!

天神から大牟田まで約2時間。時間はたっぷりあると思っていたのに、楽しい時間はあっという間でした。非日常を味わいたい時や、ご家族・ご友人との大切な記念日にもぜひ「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」へ。一同、皆さまにお会いできる日を楽しみにしております。

次回は、停車駅周辺エリアのおすすめ立ち寄りスポットやイベント情報をご紹介予定です。お楽しみに。